特定非営利活動法人日本バードレスキュー協会は2010年1月に法人として活動を開始しました。それまで大阪府ではケガをした野鳥や、密猟・違法飼養から保護された野鳥は許可を得た個人が保護・飼養し回復後に自然界に復帰させる活動を行っていました。日本バードレスキュー協会は「個人の善意に頼っていた傷病鳥の救護活動を法人格を持った団体として行う」という趣旨で設立されました。設立当初は大阪府枚方市に事務所と飼養スペースを設けていましたが、2011年に大阪府河内長野市に事業所を移転しました。
同じ時期に現在の副理事長のひとりが兵庫県で保護された鳥の保護・飼養のための救護施設を大阪市内に個人で開設し運用していました。その後この施設は日本バードレスキュー協会の提携施設となりました。2019年に兵庫県丹波篠山市に移転したおりに日本バードレスキュー協会の施設となり、兵庫県で保護された傷病鳥を受け入れる救護施設として生まれ変わりました。
日本バードレスキュー協会は現在この2カ所を拠点として活動しています。
大阪府

河内長野市
小山田事務所
大阪府南部に位置する河内長野市内にある養鶏場跡地に棟の半分を借りて飼養施設を開設しています。周囲は果樹園や畑地に囲まれていて鳥を使用するには申し分のない環境です。
重症の鳥用の小型ケージや猛禽類用のフライングケージが複数あります。ケージ類はすべて屋内に設置しています。ここでは大阪府下で保護された傷病鳥を収容し、リハビリ後に野生復帰させる活動を行っています。
近くの林ではフクロウが繁殖しています。秋の渡りの季節には上空でサシバの群れが帆翔するのを観察することができます。
小型ケージ
小型の鳥は屋内の小型ケージに収容して経過観察を行います。収容直後からある程度飛べる鳥や保護飼養の結果回復して飛べるようになった鳥は順次中型から大型のフライングケージに移してリハビリを行います。
小山田事務所にはこのように収容する鳥の状態に合わせたケージを複数用意しています。


フライングケージ
違法に野外で鳥を捕獲して飼う人がまだたくさんいます。何十羽も飼っている人が検挙されると大量の野鳥が運ばれてきます。
状態が良く、一緒に飼養できる鳥は同じフライングケージに収容しますが重症の鳥や縄張り性が強い鳥は小型ケージに個別に収容します。
個体数に対して十分な数の餌入れを用意し、餌を巡る争いが起こらないように管理していますが、時には餌入れに移すのを待ちきれずに群がってくることがあります。この写真には違法飼養から保護された4種の野鳥が写っています。
兵庫県

丹波篠山市
篠山事務所
自然豊かな兵庫県丹波篠山市に協会の副理事長が土地家屋を購入されたことをきっかけとして、日本バードレスキュー協会はその「離れ」を事務所として借り受け、兵庫県で保護された傷病鳥の救護施設として運用しています。周辺を水田や畑地、里山に囲まれています。
屋内に複数の小型ケージを設置している他、屋外にはフライングケージや大型猛禽用のフライングケージも設置しています。
裏山ではフクロウ、キビタキ、サンコウチョウなどが繁殖しています。
屋外フライングケージ
屋外のフライングケージには回復して飛べるようになった鳥を収容し、外気温などの環境に馴化させて放鳥の日に備えています。これらのケージはすべて会員による手作りで材料代以外はすべて無償のボランティアで製作されています。
協会の活動とは無関係ですが、画面右下に見える鉄路は大家さんとその仲間が手作りで敷かれた軽便鉄道の線路です。お祭りの日にはバッテリー駆動のトロッコ列車に乗った子供たちの声でにぎやかになります。収容中の鳥たちには少しだけ迷惑かもしれませんが、年に数度のことなので我慢してもらっています。


屋外フライングケージ
事務所棟からドア続きになっているケージです。これも馴化放鳥用のケージですが奥の壁上部には開閉できる窓が作られていて、収容中の鳥が放鳥可能と判断できればこの窓を開放状態にして自由に出入りができるようにします。放鳥された鳥がしばらく周辺にとどまることがあるので、窓の近くにはしばらくの間餌入れを置いておなかをすかせた鳥が餌を食べられるようにしています。
写真に写っているのは交通事故で動けなくなっているところを小学生に保護されたトビです。
アクセス
- 所在地
大阪府河内長野市小山田町3918 - 公共交通機関でお越しの場合
南海高野線河内長野駅下車
1番乗り場「小山田南循環」バス乗車
「東峰」バス停下車徒歩約10分
* 路線バスの運行は今後変更となる可能性があります。ご注意ください。 - 電話 080-4238-3918
- 所在地
兵庫県丹波篠山市油井131 - 電車でお越しの場合
JR西福知山線草野駅下車
国道176号線を北に徒歩20分 - 電話 080-3838-3918